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2023.05.24
#腎臓内科 #対象外来

痛風外来

痛風とは

痛風とは、血液中の尿酸が多い状態(高尿酸血症)が続いた結果、血液中に溶けきれなくなった尿酸が関節の中で固まって関節に突然激痛が起こる病気(発作)のことです。また、尿酸は私たちが活動するために必要な“プリン体”というエネルギー物質が分解されてできる老廃物です。プリン体は体内で作られるほか、食品にも含まれています。

痛風や高尿酸血症の原因は、腎臓から尿酸を排出する機能の低下、肥満、暴飲暴食、激しい運動などさまざまです。患者は男性に多く、女性は女性ホルモンによって尿酸値が調整されるため、比較的少ないです。また、砂糖入り清涼飲料水やお酒をよく飲む、激しい運動をすることがある、肥満である、ストレスがある、血縁者に痛風の人がいる、水分をあまり取らないなどの特徴がある人に起こりやすいといわれています。

参考記事

■痛風の原因とは?〜肥満や食事、運動などが影響して発症する~

 

イーヘルスクリニック新宿院 の腎臓内科の3つのメリット

① 平日20時まで、土日祝も診療
② オンライン診療対応で、すぐに薬が受け取れる
③ 管理栄養士による食事指導も実施

 

痛風の症状

主な症状の特徴

痛風の症状はなんの前触れもなく、ある日突然現れることが一般的です。

  • 関節が赤く腫れ、歩けないほどの激しい痛みが起こる
  • 痛みのピークは発作が出てから24時間後
  • 痛みは通常3~7日程度経つと改善する
  • ほとんどは多発せず、1箇所のみに症状が出る など

発症部位

症状が現れるのは、主に以下のような場所です。

  • 足の親指の付け根
  • 足首
  • 足の甲
  • アキレス腱の付け根
  • 膝
  • 手首 など

 

参考記事

■痛風に伴って起こることがある尿路結石とは?~尿路結石の症状や治療法をご紹介~

 

受診の目安

痛風の症状がみられる場合は高尿酸血症になっており、進行すると腎不全につながることもあるため、早めの治療が必要です。また、3~7日程度経つと痛みがなくなることが一般的ですが、痛みが引いても病気が治ったわけではありません。関節に尿酸の結晶がある限り再発する恐れがあり、再発を繰り返しながら重症化するとされています。

そのため、上記のような症状があったり、すでに高尿酸血症や痛風を指摘されていたりする場合は、早めに内科などの受診を検討し、放置したり治療を中断したりしないようにしましょう。

 

高尿酸血症とは

高尿酸血症とは、血液検査で血清尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態のことです。日本人男性の約4人に1人が高尿酸血症に該当すると報告されています。女性は、女性ホルモンのエストロゲンの作用により腎臓からの尿酸排出が促されるため、男性より尿酸値が低い傾向があります。

尿酸値は、食事や飲酒、運動の影響で一時的に変動することがあります。正確に評価するためには、日を改めて2回以上検査を行い、いずれも基準値を超えていることを確認する方法が一般的です。高尿酸血症は自覚症状がないまま進行することが多く、放置すると痛風発作や腎障害などにつながる可能性があります。健康診断で高値を指摘された場合は、自覚症状がなくても医療機関を受診し、現在の状態を確認することが大切です。

尿酸値が上がるしくみ

尿酸は、プリン体が分解されて生じる最終代謝産物です。プリン体は食品に含まれるだけでなく、体内でも日常的に産生されています。食事由来のプリン体は約2割で、約8割は細胞の代謝過程で体内から生じます。尿酸の増減は、産生と排泄のバランスによって決まります。

  1. 体内および食事由来のプリン体が分解され、主に肝臓で尿酸に変換される
  2. 産生された尿酸の約3分の2は、腎臓から尿中へ排泄される
  3. 残りの約3分の1は、腸から便中へ排泄される

通常は産生量と排泄量の均衡が保たれていますが、均衡が崩れると血液中の尿酸値が上昇します。均衡が崩れる主な要因は次のとおりです。

  • プリン体を多く含む食事やアルコールの過剰摂取
  • 肥満、内臓脂肪の増加
  • 激しい運動による細胞分解の亢進
  • 精神的ストレス
  • 水分不足による脱水
  • 腎機能の低下
  • 薬剤の影響(利尿薬や少量アスピリンなど)

尿酸値の上昇には、生活習慣や体質、基礎疾患など複数の要因が関与します。

高尿酸血症のタイプ

高尿酸血症は、尿酸値が上がってしまう原因によって、大きく3つのタイプに分けられます。自身のタイプを知ることは、今後の治療方針を決めるうえで大切です。

タイプ 主な特徴
尿酸産生過剰型 ・体内での尿酸産生量の増加
・プリン体を多く含む食事やアルコール摂取量の増加
・激しい運動や強いストレスの関与
尿酸排泄低下型 ・腎臓からの尿酸排泄量の低下
・遺伝的要因や肥満、脱水の関与
・腎機能低下の影響
混合型 ・尿酸産生増加と排泄低下の併存
・複数要因の重複

高尿酸血症の約9割は、特定の病気や薬がはっきりとした原因ではない「原発性高尿酸血症」です。約1割は、腎臓の病気や薬の副作用など、他の原因によって起こる「続発性高尿酸血症」です。日本人の高尿酸血症の約60%は尿酸排泄低下型といわれています。タイプによって治療法が異なるため、医師による正確な診断が重要です。

遺伝・体質との関係

尿酸の排泄には、ABCG2遺伝子とSLC2A9遺伝子が関わり、働き方の違いが尿酸値に影響します。ABCG2遺伝子は、腸から便とともに尿酸を排出する役割を担い、働きが弱いと体外への尿酸排泄が低下して、体内に蓄積する原因につながります。SLC2A9遺伝子は、働きが活発すぎると尿酸の再吸収が起こりやすくなり、体内に蓄積する原因につながります。遺伝子のタイプはご両親から受け継いだもので、努力で変えることはできません。研究では、高尿酸血症の原因として遺伝的関連要因が強いことが指摘されています。

ご家族やご親戚に痛風や尿酸値が高い方がいる場合は、ご自身も尿酸が蓄積しやすい体質の可能性があります。遺伝的な要因があっても、必ず高尿酸血症になるわけではありません。食生活の改善や適度な運動を心がけることで、発症予防や進行の抑制が可能です。

痛風発作が起こるしくみ

痛風発作は、関節内に沈着した尿酸塩結晶に対して急性炎症が生じることで発症します。主な流れは次のとおりです。

  1. 血液中の尿酸濃度が上昇し、飽和状態に近づく
  2. 尿酸が尿酸塩結晶として、関節内や周囲組織に沈着する
  3. 白血球が結晶を異物として認識し、炎症反応を開始する
  4. 炎症性物質の放出により、関節の腫れや痛みが出現する

体温が比較的低い足の親指の付け根は、結晶が蓄積しやすい部位です。

高尿酸血症と痛風の違い

高尿酸血症と痛風は、いずれも尿酸が関与しますが、意味は異なります。

項目 高尿酸血症 痛風
定義 血清尿酸値が7.0mg/dLを超えている状態 尿酸塩結晶が関節などに沈着し、炎症発作を生じる疾患
症状 基本的には症状がない(無症候性高尿酸血症) 関節の強い痛み、腫れ、赤み、熱感など
関係 痛風発症の背景となる状態 高尿酸血症を背景に生じる疾患

高尿酸血症のすべての人が痛風を発症するわけではありませんが、無症候性の段階でも、体内では尿酸塩結晶の沈着が進行している可能性があります。自覚症状がない場合でも、健康診断の結果を確認し、必要に応じて医療機関へ相談することが重要です。

痛風発作を繰り返すリスク

痛みが治まっても高尿酸血症が持続していれば、再発の可能性があります。発作を繰り返すと、次のような影響が生じることがあります。

種類 主な影響
発作の変化 ・発作間隔の短縮
・疼痛持続期間の延長
・罹患関節数の増加
関節構造への影響 ・炎症反復による骨や軟骨の障害
・関節変形や可動域制限
痛風結節(トフス)の形成 ・尿酸塩結晶の皮下沈着
・耳や肘、足関節周囲などへの結節形成
全身への影響 ・腎機能低下や尿路結石の発症
・心血管疾患リスク上昇との関連

高尿酸血症が長期間持続すると、関節以外の臓器にも影響が及ぶ可能性があります。初回発作は、生活習慣や治療方針を見直す契機と考えられます。医師の指導のもとで尿酸管理を行うことが、再発予防と将来的な合併症対策につながります。

 

高尿酸血症・痛風の検査と診断

高尿酸血症や痛風が疑われる場合は、診察のうえ、血液検査や尿検査、超音波検査などを行い、尿酸値や関節内の尿酸結晶の状態などを確認します。

問診・診察

問診では、患者さんの状態を確認するため、以下のような事柄についてお聞きします。

  • 生活習慣について(食事、運動、飲酒、ストレスなど)
  • どのような症状が出ているか(関節の痛みの程度や状態など)
  • 腎臓病や糖尿病、高血圧症など、ほかにかかっている病気や治療中の病気、服用中の薬
  • 家族の病歴

血液検査

血液検査で尿酸値を測定します。男女ともに血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超えている場合は、高尿酸血症と診断されます。結果が出るまでの所要日数は、通常2〜4日程度です。

尿酸値が7.0mg/dL以上になると、数値が高くなるにつれて痛風の発症リスクが増加するといわれています。痛風関節炎の5年間累積発症率を調べたアメリカのある研究では、次のような結果が報告されています。

  • 尿酸値(前値)が6.0mg/dL未満の場合:0.5%
  • 6.0〜6.9mg/dLの場合:0.6%
  • 7.0〜7.9mg/dLの場合:2.0%
  • 8.0〜8.9mg/dLの場合:4.1%
  • 9.0〜9.9mg/dLの場合:19.8%
  • 10.0mg/dL以上の場合:30.5%

高尿酸血症と診断された場合は、生活習慣の改善や治療が必要です。特に、尿酸値が8.0〜9.0mg/dL以上で、高血圧や糖尿病などの合併症を伴う場合は、早めの治療が推奨されます。なお、痛風発作時の血液検査では尿酸値が高くならない場合があるため、医師による診察や他の検査も含めた診断が必要です。

高尿酸血症になると、血尿が出ることもあります。血尿については、血尿の原因と対処法|受診が必要な7つの症状と治療法を解説も参考にしてください。

尿検査

尿検査では、尿中に出ている尿酸量などを測ります。24時間で出るすべての尿から尿酸量を調べる方法と、60分間で出るすべての尿から調べる方法があり、高尿酸血症の原因がどのタイプ(尿酸排泄低下型・尿酸産生過剰型・混合型)なのかを調べることができます。尿酸が体内にたまるタイプを見極めることは、治療薬を選択するうえでとても重要です。

検査の注意点

健診などで尿酸値が7.0mg/dLを超えていた場合は、再検査をすることもあります。血液中の尿酸値は1日のうちで変動し(日内変動)、季節によっても多少変わるためです。

  • 1日のうちの変動:健康な大人の場合、食事の直後に下がったあと元に戻り、明け方に高く、夕方に低くなると考えられています
  • 季節による変動:汗をかいて体内の水分が失われやすい夏に高めになることが知られています
  • 食事・飲酒・運動:プリン体を多く含む食品を食べた後、お酒を飲んだ後、運動をした後は高くなり、0.5mg/dLから2.0mg/dLも上昇するといわれています
  • ストレス:忙しさが続いたり、大きなイベントがあったりしたときに尿酸値が上がると考えられています

こうした尿酸値の上昇はほとんどが一時的なものですが、大量の飲酒や激しい運動の後などは、数日間高いままということもあります。正しく診断するために、採血する時間帯を変えたり、食事内容・飲酒・運動の影響がない日を選んだりして、複数回検査を行うことがあります。

検査前は、通常、空腹時に血液検査などが行われます。薬の影響を受けることがあるため、服用中の薬がある場合は医師や看護師に申告しましょう。尿検査では、検査の3日ほど前からプリン体が多い食べ物の摂取や飲酒を控え、当日は絶食した状態で受けることが一般的です。詳細は、検査を受ける医療機関の指示に従ってください。

 

高尿酸血症の合併症と放置のリスク

高尿酸血症は、自覚症状がなくても、放置すると痛風発作に加えて腎障害、動脈硬化、生活習慣病などの合併症のリスクが高まります。健康診断で尿酸値の高値を指摘された場合は、症状の有無にかかわらず注意が必要です。

腎臓への影響

尿酸の約3分の2は腎臓から尿中へ排泄されるため、高尿酸血症が持続すると、腎臓に負担がかかる可能性があります。高尿酸血症に関連してみられる主な腎疾患は次のとおりです。

疾患 主な特徴
尿路結石 ・尿中で尿酸が結晶化し、結石を形成
・尿管閉塞による側腹部痛や背部痛
痛風腎(慢性尿酸塩腎症) ・尿酸塩結晶の腎組織沈着
・慢性炎症や腎機能低下との関連
急性腎障害 ・大量の尿酸産生による尿細管閉塞
・急激な腎機能悪化

研究では、痛風患者は非痛風患者と比べて、腎結石のリスクが約1.45倍高いことが示されています。また、日本の集団健診に参加した男女を2年間追跡した調査では、尿酸値が8.0mg/dL以上の方は、5.0mg/dL未満の方と比べて、クレアチニン値が上昇するリスクが男性では2.9倍、女性では10.4倍だったと報告されています。

慢性腎臓病は、腎機能の低下やタンパク尿が3か月以上続いている状態です。腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、機能がある程度まで落ちないと自覚症状が現れません。腎機能の低下が進行すると元に戻らなくなり、末期腎不全に至って透析療法などが必要となる場合もあります。健診や人間ドックでタンパク尿を定期的にチェックし、早期発見と予防につなげることが大切です。腎機能の低下が軽度なうちなら、きちんと治療することで機能を維持したり、慢性腎臓病の進行を遅らせたりすることが可能になります。慢性腎臓病については、慢性腎臓病とは?症状や罹患時に気をつけたいポイントを解説もご覧ください。

心臓・血管への影響

尿酸は、血管の内側の血管内皮細胞を傷つけ、酸化ストレスを増やして炎症を起こす可能性があります。尿酸値の上昇は動脈硬化の進行と関連すると考えられており、動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞や脳出血などの動脈硬化性疾患のリスクが高まる可能性があります。ある研究では、血清尿酸値が上昇すると、高血圧や心血管疾患のリスク上昇の可能性が示唆されています。自覚症状がない段階でも、血管機能への影響が進行している場合があるため、尿酸値を継続的に確認し、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。

高血圧・糖尿病・脂質異常症との関係

高尿酸血症患者さんの約80%は、高血圧や肥満、脂質異常症などの生活習慣病を合併しており、中でも高血圧は高い頻度で合併することが知られています。高血圧専門外来に通院する患者さんでは、高尿酸血症の合併頻度は男性で40.6%、女性で8.6%という報告があり、尿酸値が高くなるほど高血圧を発症する確率が上がることも報告されています。

高血圧の方が高尿酸血症になりやすい理由には、高尿酸血症の原因ともなるメタボリックシンドロームや肥満が多いことと、尿酸値を上げやすい利尿薬の使用が多いことなどが挙げられます。メタボリックシンドロームや肥満で問題になるのは、血糖値を一定に保つ「インスリン」のはたらきが低下する「インスリン抵抗性」です。内臓脂肪が増えると、脂肪細胞からインスリンのはたらきを悪くする物質が分泌され、血糖値が下がりにくくなります。血糖値を下げようと、膵臓がインスリンをたくさん分泌した結果、インスリンが過剰な「高インスリン血症」になります。高インスリン血症は尿酸が腎臓から排泄されることを妨げるため、血液中の尿酸値が上がります。高血圧と高尿酸血症を合併している人は、尿酸排泄低下型が多く、9割以上を占めるといわれています。

利尿薬は、使用すると細胞外液が低下することで高尿酸血症を引き起こすといわれ、特に効果が強いサイアザイド系降圧利尿薬やループ系利尿薬には注意が必要です。高血圧の治療に用いられるβ遮断薬などの使用も、尿酸値の上昇につながることがあります。高血圧を合併した高尿酸血症の治療では、尿酸値が8.0mg/dLを超えるまでは生活習慣の改善、超えたら尿酸を下げる薬の服用を開始するのが基本です。治療の目標は尿酸値を6.0mg/dL以下に下げることで、高血圧の治療も並行して行います。利尿薬によって高尿酸血症が起こっている場合は、尿酸値が上がらない利尿薬を用いるなど、注意しながら適切な薬を検討します。

糖尿病については、尿酸値が高いとインスリンの働きが低下して血糖値が上がり、糖尿病の発症や悪化が懸念されます。高尿酸血症は、糖尿病の合併症である網膜症や腎症の危険因子でもあります。また、肥満による内臓脂肪の蓄積は肝臓での尿酸産生を促進するため、高尿酸血症と脂質異常症は併発しやすい可能性があります。

2型糖尿病の治療薬の中には、血糖値を下げるだけでなく、尿酸値を下げる可能性が報告されているものがあります。代表的なSGLT2阻害薬は、血中の余分な糖を尿と一緒に排出するとともに、腎臓での尿酸の再吸収を抑えて排泄を促します(SGLT阻害薬『フォシーガ』とは?特徴や腎機能への効果を解説)。最適な治療薬は体の状態や合併症の有無によって異なるため、自己判断で服用を中止せず、主治医に相談しましょう。

 

痛風の治療のポイント

尿酸は常に体の中で作られています。このため、尿酸を含む食品を控えるなどの生活習慣の改善や、尿酸値をコントロールする治療を同時に行うことが大切です。また、痛風発作が出ないからといって薬をやめてしまうと再発する可能性があるので、医師の指示にしたがって治療を受けるようにしましょう。

 

薬の処方

痛風発作が起こったら、まずは痛みや腫れを取り除く薬(非ステロイド抗炎症薬)を使用します。その後症状が治まったら、痛風の原因である高尿酸血症の治療を行います。

高尿酸血症の治療では、尿酸値を下げる薬を少量から使い始め、少しずつ尿酸値を下げることを目指します。また、尿酸が尿路で結晶化しないよう、尿アルカリ化薬を併用することもあります。

 

生活習慣の指導

痛風や高尿酸血症の発症には生活習慣が大きく関わっていることから、原因となる生活習慣を改善することが重要な治療の1つとなります。主に適度な運動やバランスの取れた食事、お酒の摂取量などについて指導されることが一般的です。

具体的には、“痛風になったときに気を付けたいポイント”の項目で説明します。

 

 

痛風・高尿酸血症の薬物療法

生活習慣の改善だけで尿酸値が十分に下がらない場合や、痛風発作を経験している場合は、薬物療法を検討します。腎機能低下や尿路結石、高血圧などの合併症がある場合も対象となります。薬物療法に共通する目標は、血液中の尿酸値を6.0mg/dL以下に保つことです。尿酸の血中濃度の上限は約6.8mg/dLで、超えると溶けきれなくなった尿酸が結晶化して関節などにたまり始め、痛風発作の原因になります。

薬を始める目安

尿酸値が基準値の7.0mg/dLを超えても、必ず薬を始めるわけではありません。薬物療法が検討される主なケースは、次のとおりです。

  • 痛風発作を経験したことがある
  • 痛風結節がある
  • 尿酸値が高い(9.0mg/dL以上)
  • 合併症がある

尿酸値が8.0mg/dLかつ高血圧や糖尿病、腎障害などを合併している場合も、薬物療法が検討されます。基準に当てはまらない場合は、食事や運動などの生活習慣の見直しが基本治療です。

痛風発作のときに使う薬

痛風発作のときに使う薬は、痛みや腫れを和らげる対症療法の薬です。非ステロイド性抗炎症薬、ステロイド、コルヒチンなどがあります。

非ステロイド性抗炎症薬は、いわゆる痛み止めで、痛みや腫れなどの症状を和らげます。痛風発作が起こってしまった場合には短期間に大量に投与し、痛みが治まってきたら徐々に投与量を減らして、痛みがなくなれば中止します。胃を荒らして胃もたれや不快感、胃痛が起こることがあるため、食後の使用がすすめられます。妊娠・授乳中の方は、薬の使用について医師と相談しましょう。

コルヒチンは、痛風発作の緩和および予防を目的に使用します。痛みや腫れを引き起こす白血球のはたらきを抑えるため、痛風発作が治まります。痛風発作には予兆が出る場合があり、本格的な発作が始まる前に服用すれば、発作を抑える効果が期待できます。ただし、コルヒチンはあくまで痛風発作を抑える薬であり、根本的な原因である尿酸値を下げるはたらきはありません。主な副作用には、腹痛・下痢・嘔吐などの消化器症状や、末梢神経炎などが挙げられます。妊婦に関しては安全性が示されていないため服用しないこととなっており、服用には注意が必要です。

尿酸値を下げる薬

尿酸値を下げる薬は、痛風発作の原因となる高尿酸血症をコントロールし、再発予防と根本的な治療をめざす薬です。症状がないときも毎日服用します。体内での尿酸の生成を抑える「尿酸生成抑制薬」と、体外への排出を助ける「尿酸排泄促進薬」の2種類があります。

種類 はたらき 適したタイプ 代表的な薬
尿酸生成抑制薬 キサンチンオキシダーゼ(XOR)という酵素のはたらきをブロックして、尿酸の生産量を減らす 尿酸産生過剰型 アロプリノール(ザイロリックなど)、フェブキソスタット(フェブリクなど)、トピロキソスタット(ウリアデックスなど)
尿酸排泄促進薬 腎臓にある尿酸トランスポーター(URAT1)のはたらきを抑え、尿酸の再吸収を抑制して、尿中への排泄をスムーズにする 尿酸排泄低下型 ベンズブロマロン(ユリノームなど)、ドチヌラド(ユリスなど)、プロベネシド(ベネシッドなど)

尿酸生成抑制薬は、腎臓の機能が低下している人や尿路結石が心配な人にも使いやすいのが特徴です。腎機能が低下している場合は、アロプリノールの投与量を慎重に検討するなど、状態により選択されます。尿酸排泄促進薬は、肝臓へ負担をかけることがあるため、肝機能や尿酸値を評価しながら選択されます。また、服用中は尿中の尿酸濃度が高くなり、尿路結石を引き起こす可能性があるため、水分を多めに摂り、尿をアルカリ性に保つ野菜や海藻類を食事に取り入れてください。尿酸が尿路で結晶化しないよう、尿アルカリ化薬を併用することもあります。

薬は、尿酸値が高くなっている原因(病型)に合わせて選ぶことが基本です。かつては尿酸排泄低下型には尿酸排泄促進薬、尿酸産生過剰型には尿酸生成抑制薬を使うのが一般的でしたが、現在は、腎臓や肝臓の機能、合併している他の病気、尿路結石のリスク、検査データや既往歴などから医師が総合的に判断します。薬を使用すると尿酸が急激に変動して痛風などの症状がみられることがあるため、尿酸値6.0mg/dLを目標に、3〜6か月ほどかけて徐々に尿酸を下げることがポイントです。

フェブリクについては高尿酸血症の治療薬“フェブリク”の特徴とは?効果や副作用、注意点について解説、ユリスについては高尿酸血症の治療薬ユリス(ドチヌラド)とは?処方される病気や使用時の注意点を解説もご覧ください。

尿酸値を下げる薬と痛風発作の薬の違い

項目 尿酸値を下げる薬 痛風発作の薬
目的 ・痛風発作の原因を改善する
・予防や根本治療
・痛みや腫れを和らげる
・対症療法
飲むタイミング 症状がないときも毎日飲む 痛風発作のときに飲む
代表的な薬 ・尿酸生成抑制薬
・尿酸排泄促進薬
・非ステロイド性抗炎症薬
・ステロイド
・コルヒチン

痛風発作の最中に、自己判断で尿酸値を下げる薬を飲み始めると、尿酸値が変動して関節に沈着していた尿酸の結晶が不安定になり、新たな炎症につながったり、症状を悪化させたりすることがあります。そのため、通常は痛風発作が完全に治まった後に、尿酸値を下げる薬を開始します。すでに尿酸値を下げる薬を飲んでいるときに痛風発作が起きた場合は、自己判断で中止せず、その薬を続けながら痛風発作の薬も使用します。薬を中止すると尿酸値が不安定になり、発作を悪化させる可能性があるため、医師の指示どおりに服用しましょう。

薬の副作用と対処

副作用は薬の種類によって異なり、すべての方に起こるわけではありませんが、次の症状が知られています。

種類 主な副作用 特に注意したい症状
尿酸生成抑制薬 ・皮膚のかゆみや発疹
・食欲不振
・吐き気
・肝臓の数値異常
・38度以上の発熱
・広範囲の発疹や水疱
・唇や口内のただれ
・目の充血
尿酸排泄促進薬 ・食欲不振
・吐き気
・胃の不快感
・肝臓の数値異常
・強い体のだるさ
・食欲の強い低下
・皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)
・吐き気や嘔吐が続く

広範囲の発疹や水疱、唇や口内のただれなどは、重い皮膚の副作用(中毒性表皮壊死融解症など)の初期症状の可能性があります。尿酸排泄促進薬は肝臓に影響しやすいため、倦怠感や黄疸が出現する場合は、肝障害の初期症状の可能性があります。記載のない症状が出ることもあるため、薬を飲み始めてから体調の変化を感じたら、主治医に伝えることが大切です。

副作用と思われる症状が出ても、自己判断で服用を中止しないようにしましょう。自己判断で薬を中止すると、尿酸値のコントロールが難しくなり、痛風発作が起きたり、病気の状態が悪化したりする可能性があります。主治医や薬剤師に連絡し、症状が出現した時期や部位、程度を具体的に伝えてください。発熱や広範囲の発疹、吐き気や嘔吐が続く場合は、夜間や休日でも救急外来などの受診を検討する必要があります。

服用時の注意(飲み合わせ・飲み忘れ)

他の病気で処方されている薬や、飲んでいるサプリメントがある場合は、飲み合わせに注意が必要です。複数の薬を一緒に飲むと、分解や排出の過程で影響しやすく、効果が強まったり弱まったりして、予期せぬ副作用が出現する可能性があります。お薬手帳は1冊にまとめ、医療機関を受診する際に提出しましょう。市販薬やサプリメントを飲んでいる場合も伝え忘れに注意し、健康食品や市販の風邪薬・痛み止めを使用した場合は、お薬手帳に記録しましょう。

飲み忘れたときは、2回分を一度に服用せず、気づいた時点で1回分を飲んでください。次の服用時間が近い場合は、忘れた分は飛ばします。2回分を服用すると血中濃度が急激に上がり、副作用が出る可能性があります。飲み忘れを防ぐには、お薬カレンダーやピルケース、スマートフォンのアラームの活用、食事や歯磨きなど毎日の習慣とセットにするなどの工夫がおすすめです。飲み忘れて不安なときは、かかりつけ医や薬剤師に相談しましょう。

自己判断で中断しない・薬をやめられる可能性

尿酸値を下げる薬は、体質を変える薬ではなく、飲み続けることで尿酸値を適切な範囲にコントロールする薬です。自己判断で服用を中断すると尿酸値が上昇し、体内に尿酸の結晶がたまりやすくなります。その結果、痛風発作の再発、腎臓への負担の増加や動脈硬化の進行といった合併症の進行、痛風結節の悪化といったリスクがあります。

尿酸値は、生活習慣の改善と薬による治療を続けていけば、正常値まで下げることも可能です。しかし、生活習慣が元に戻ったり、薬を止めたりすると、また尿酸値が上がってしまうことも少なくありません。生活習慣を見直し、尿酸値が上がりにくい体質に改善することで、薬の中止を目指せる可能性があります。薬の中止を検討できる項目は次のとおりです。

  • 適正体重を維持できている
  • プリン体の多い食事やアルコールを控えている
  • ウォーキングなどの運動を定期的に続けている
  • 生活習慣の改善で、薬なしで長期間、尿酸値6.0mg/dL以下を保てる

すべてに該当していても、自己判断で服薬を中断してはいけません。薬の減量や中止は、主治医と相談し、段階的に進める必要があります。中止した後も定期的に血液検査を受け、尿酸値の再上昇の有無を長期的にモニタリングしましょう。尿酸値が下がっても「完治した」と甘く考えず、医師の指示に従って適切な経過観察を続けることが大切です。

報告では、尿酸値を下げる薬は、痛風発作の予防に加えて、心臓や腎臓、血管を保護する効果が期待できることが示されています。尿酸値を適切に管理することは、関節の痛みだけでなく、全身の健康を守ることにつながります。

当院の治療方針

当院では、痛風発作時に高尿酸血症の治療を開始すると痛みが悪化してしまう可能性があるため、痛みが治まってから治療を開始します。また、動脈硬化の予防という視点からも、高尿酸血症の治療を行います。治療方針は、「薬物療法」と「食事・栄養への介入」の2本柱です。薬物療法では、腎機能に依存しないフェブキソスタットを使用することがあり、腎臓での尿酸の排泄が低下している可能性があるケースでは、ドチヌラドを使用することがあります。

定期的な通院が難しい場合は、オンライン診療もご利用いただけます。オンライン診療後は、自宅まで薬を郵送することも可能です。

 

痛風になったときに気を付けたいポイント

痛風や高尿酸血症では、薬物療法と同時に生活習慣の改善を行うことが基本です。

食生活の改善

適正なカロリー量を守ることが大切です。また、肉や魚の内臓、干物などは尿酸の元となるプリン体が多く含まれるため、食べすぎに注意しましょう。糖分も尿酸値が上がる原因となるため控えることが大切です。

一方で、食物繊維やビタミンCを多く含む食品や乳製品(特に低脂肪乳製品)、サクランボやコーヒーなどは痛風予防につながるとされています。

アルコールを控える

アルコールの摂取によって尿酸値が上がるといわれているため、取りすぎには注意しましょう。特にビールは痛風のリスクをもっとも高めるといわれているため、注意が必要です。

尿酸値への影響を最低限に抑える1日当たりの摂取量の目安は、ビール350~500ml(銘柄によって異なる)、日本酒1合、ウイスキー60ml(ダブル)といわれています。詳しくは医師や栄養士などに確認するようにしましょう。

適度な運動

運動によって尿酸値を下げることが期待できるといわれています。たとえば、有酸素運動(ウォーキングやジョギング、サイクリングなど)を1回10分以上、1日合計30分~1時間程度行うとよいとされています。

一方で、短距離走といった無酸素運動は尿酸値が上がる原因になってしまうため注意が必要です。また、関節に負担がかかって痛風発作につながることがあるため、運動の内容は医師と相談しながら決めるとよいでしょう。

水分をしっかり取る

水分をしっかり取って、尿から尿酸を排出させることも大切です。水やお茶を1日に2L以上飲むとよいとされています。ただし、糖分が多い清涼飲料水などは尿酸値の上昇につながるため控えるようにしましょう。

尿酸値を上げやすい食品・飲み物

プリン体の多い食品は、完全に断つことは難しくても、食べる回数を週に1〜2回に減らしたり、食べる量を半分以下にしたりしましょう。食事で摂るプリン体の量は、1日400mg以下に抑えることが推奨されています。

食品の分類 具体的な食品例
動物の内臓 ・レバー
・あん肝
・白子
・もつ
魚卵 ・たらこ
・明太子
・いくら
・すじこ
一部の魚介類 ・マイワシやアジの干物
・かつお
・大正えび
・いさき
・さんま
乾物・だし類 ・煮干し
・かつお節
・干ししいたけ
その他 ・新鮮なキノコ類
・豆もやし

プリン体は水に溶けやすい性質があるため、肉や魚を煮込んだスープや鍋の汁には、プリン体が多く含まれています。ラーメンのスープを飲み干すのを控えるだけでも、摂取量を減らせます。研究では、動物性食品中心の食生活は高尿酸血症のリスクを1.36倍、甘いお菓子や飲み物を中心とした食生活は1.24倍に高めることが示されています。

清涼飲料水に含まれる果糖も、尿酸値を上げる原因の一つです。果糖は体内で分解される過程でプリン体の分解を促進し、尿酸を増やす働きがあります。ジュースや炭酸飲料、エナジードリンク、スポーツドリンク、加糖の缶コーヒー、ケーキや菓子パンなどの甘い菓子類に注意しましょう。清涼飲料水に含まれる果糖は吸収が速いため、過剰摂取になりやすく、のどが渇いたときの水分補給は水やお茶を選びましょう。果物にも果糖は含まれますが、食物繊維やビタミンも豊富なため、適量であれば問題ありません。

脂質の多い食事は、肥満の原因の一つです。肥満によって内臓脂肪が増えると、体内で尿酸が作られるのを促進したり、腎臓からの尿酸の排泄を妨げたりして、尿酸値を上げる要因につながります。揚げ物や脂身の多い肉、ジャンクフードなどに注意し、食事を選ぶ際は、プリン体の量だけでなく、全体のカロリーや脂質の量にも目を向けましょう。肥満と尿酸値の関係については、高尿酸血症と肥満の関係は? BMIが高いと危険?尿酸値を下げる方法も解説もご覧ください。

尿酸値を下げるために取り入れたい食材

野菜・海藻・きのこ類には、尿酸の排出を促したり、食物繊維がプリン体の吸収をゆるやかにしたりする効果が期待できます。野菜類は尿をアルカリ性に近づけ、海藻類は尿のアルカリ化を助けてミネラルを補給でき、きのこ類は食物繊維が豊富で低カロリーです。ほうれん草など一部の野菜にはプリン体が含まれていますが、量は少量です。

筋肉量を保ち、肥満を解消するために、プリン体が少なく、安心して食べられる良質なタンパク源も活用しましょう。乳製品(牛乳、ヨーグルト)、卵、大豆製品(豆腐、納豆など)がおすすめです。肉や魚を食べる際には、脂身の少ない鶏むね肉やささみ、たらなどの白身魚を選びましょう。

水分補給の量とタイミング

体内の水分が不足すると、尿が濃縮されて、痛風発作や尿路結石を引き起こす可能性があります。水分補給は、水か、カフェインの少ない麦茶やほうじ茶を選びましょう。1日に合計2リットルの水分摂取量が推奨されています。次のようなタイミングで、コップ1杯の水を飲む習慣をつけましょう。

  • 起床後
  • 食事時
  • 運動の前後
  • 入浴の前後
  • 就寝前

汗をかきやすい夏場やスポーツの際には、失われる水分量が多くなりやすいため、意識して多めに水分を摂ることが大切です。水分制限が必要な治療もあるため、高齢者や持病のある方は、事前に医師に相談しましょう。

調理法の工夫と外食・コンビニでの選び方

プリン体は水に溶けやすい性質があるため、肉や魚を調理する際は、「茹でる」「煮る」「蒸す」といった方法を選ぶと、プリン体の量を減らすことができます。加熱の過程でプリン体がお湯や煮汁へ溶け出すため、スープや煮汁は摂取を控えてください。焼く場合は、フライパンで油を多く使うソテーよりも、網焼きで脂を落とすほうが健康的です。しゃぶしゃぶは、肉のプリン体や余分な脂が茹で汁に溶け出すためおすすめですが、締めの雑炊や麺類は、だし汁を吸収するため注意が必要です。

外食を利用する際は、主食・主菜・副菜をそろえたバランスの良い食事を意識し、次の表を参考にメニューを選んでみてください。

料理の種類 おすすめのメニュー例 控えたいメニュー例
和食 ・焼き魚定食
・刺身定食
・野菜の煮物
・豆腐料理
・天ぷら定食
・カツ丼
・もつ煮込み
・ラーメン(特にスープ)
洋食 ・鶏むね肉のグリル
・魚のソテー
・たっぷり野菜のサラダ
・フライ料理(アジフライなど)
・クリームソースのパスタ
・ピザ
中華 ・野菜炒め
・蒸し鶏
・八宝菜
・麻婆豆腐
・揚げ物(唐揚げなど)
・レバニラ炒め
・餃子
・あんかけ料理

コンビニを利用する際は、単品を組み合わせて栄養バランスを整えましょう。おにぎりやサンドイッチなどの主食に、サラダ(海藻や豆類が入ったもの)、ゆで卵、冷奴や枝豆、無糖のヨーグルトや牛乳、野菜の惣菜(ひじきの煮物やほうれん草のおひたしなど)を組み合わせるのがおすすめです。カップラーメンや揚げ物、菓子パン、糖分の多いジュース類などは避けましょう。

お酒の飲み方の工夫

アルコールは、ビールに限らず、種類にかかわらず尿酸値を上げやすい作用があります。アルコールが肝臓で分解されるときに尿酸が作られ、さらに、アルコールが腎臓から尿酸を排出するのを妨げるためです。「プリン体ゼロ」と表示された酒類や、焼酎・ウイスキーなどの蒸留酒でも、飲みすぎると尿酸値は上昇します。お酒を飲む際は、次の工夫を参考にしてください。

  • 週に2日以上の休肝日を設ける
  • 飲酒量をあらかじめ決める
  • お酒と同量の水やお茶を一緒に飲む(水分摂取は尿量の確保につながります)
  • 空腹で飲まず、食事と一緒に時間をかけて楽しむ

空腹の状態で飲酒すると、血中アルコール濃度が上がり、痛風発作を引き起こしやすいため注意が必要です。アルコールと高尿酸血症の関係については、高尿酸血症とアルコールの関係は?量に制限は必要?ビール以外の原因も解説もご覧ください。

運動と体重管理

肥満や内臓脂肪の増加は、尿酸値の上昇と関連するとされています。適度な運動による体重管理は、尿酸値のコントロールに有用と考えられており、ウォーキングや軽いジョギング、サイクリング、水中ウォーキング、水泳などの有酸素運動がおすすめです。運動の目安は次のとおりです。

  • 頻度:週3〜5回、合計150分以上
  • 強度:やや息が弾む程度(少し汗ばむ、会話ができる程度)
  • 目標心拍数:(220-年齢)×50〜70%

急に強度の高い運動を行うと、一時的に尿酸値が上昇し、発作の誘因となる可能性も指摘されています。短距離走や負荷の大きい筋力トレーニングなどの無酸素運動は、体内で急激にエネルギーが消費される際に尿酸が多く産生されるため、避けたほうがよいとされています。運動による脱水も尿酸値の上昇につながるため、運動の前後・運動中にこまめに水分補給を行いましょう。急激な体重減少も尿酸値の上昇と関連するとされており、無理のない範囲でゆっくりと減量を進めてください。肥満の目安として、BMIは25を超えると肥満、腹囲は男性で85cm以上、女性で90cm以上だと注意が必要です。運動の種類については、高尿酸血症の改善におすすめの運動とは?激しい運動はダメ?手軽な運動を紹介もご覧ください。

ストレス・睡眠と尿酸値

ストレスや睡眠不足など生活リズムの乱れも、尿酸値に影響を与えます。過度なストレスは、自律神経やホルモンバランスを崩す一因で、体の代謝機能や尿酸の代謝に影響が及ぶと考えられています。ストレスによる暴飲暴食や運動不足なども、尿酸値の上昇につながります。ぬるめのお湯にゆっくりつかる、趣味や好きなことに没頭する時間を作る、毎日決まった時間に寝起きする、寝る前のスマートフォンやパソコンの使用時間を減らす、といった工夫を取り入れてみましょう。

痛みが引いても受診する

痛風の痛みは3~7日程度経てばなくなることが一般的です。しかし、関節に尿酸の結晶がたまっている限り再発することがあるため注意が必要です。痛風発作は再発を繰り返しながら重症化するため、適宜受診し、放置したり治療を中断したりしないようにしましょう。

 

参考記事

■「痛風を悪化させない対策」について詳しく見る

 

不安や疑問があれば医師に相談を

イーヘルスクリニック新宿院では、痛風や高尿酸血症、尿路結石の診療を行っています。丁寧な診察から、個々に必要な検査や治療をご提案いたします。医師はもちろん、看護師や管理栄養士、検査技師などもチームになって患者さんの健康を全力でサポートいたします。診療は土日祝日も対応しており、24時間365日診療予約がネットから可能です。忙しい方でも受診しやすい体制を整えていますので、お困りごとがありましたらぜひお気軽にご相談ください。

 

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記事監修:天野 方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。
日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。

参考文献

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