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2022.09.28

高尿酸血症を予防する方法とは?〜4つのポイントをご紹介〜

高尿酸血症は、“なりやすい体質”というものも関係しますが、肥満、お酒や糖分の取りすぎ、尿酸のもとになる“プリン体”を多く含む食べ物・飲み物の取りすぎが主な原因といわれています。そのため、予防には肥満と生活習慣の改善が必要ですが、無理な食事制限やダイエットを行うと、体調を崩したり、体重がリバウンドしてしまったりすることも少なくありません。

本記事では、効果的な予防法について解説します。

高尿酸血症の効果的な予防法

高尿酸血症を予防するためのポイントは、肥満の改善と、お酒(アルコール)、糖分、そして尿酸のもとになる“プリン体”を多く含む食べ物・飲み物を取りすぎないことです。

それぞれの理由と、効果的な予防法を解説していきます。

(1)肥満をあせらずに改善する

肥満の人が体重を1~3%減らすと、尿酸値が改善することが分かっています。体重80kgの人なら減量は800gから2.4kg程度が目標になりますが、あせらずに3~6か月かけて減らすのが、体調不良やリバウンドを防ぐコツです。

そもそも肥満とは、“体格指数(BMI)”の値が“25以上”のことをいいます。BMIは次の計算式で求めることができます。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

例)身長170cm、体重80kgの人の場合
80÷1.7÷1.7=27.68……(BMI25以上が肥満)

肥満を改善するには、適切なカロリー摂取とバランスのよい食事、そして適度な運動を続けることが大切です。1日のカロリー摂取量は、普通の生活をしている人の場合、下表のとおりです。

性別/年齢 男性 女性
18〜29歳 2,650 kcal 2,000 kcal
30〜49歳 2,700 kcal 2,050 kcal
50〜64歳 2,600 kcal 1,950 kcal

『日本人の食事摂取基準(2020年版)』より

(2)お酒(アルコール)を取りすぎない

アルコールは、尿酸のもとになるプリン体が体内でつくられるのを促進します。アルコールの摂取量が多いほど尿酸値が上がり、足の付け根などが激しく痛む“痛風”の発作を起こしやすくなることが分かっているので、適量を守りましょう。

尿酸値が気になる人の場合、ビールなら350~500ml(※)、日本酒なら1合(180ml)、ウィスキーなら60mg(ダブル1杯)、ワインなら148ml以内がそれぞれ1日の適量の目安です。

*「プリン体を多く含む食べ物・飲み物を取りすぎない」を参照

(3)糖分を取りすぎない

糖分の取りすぎは尿酸値を上昇させます。とくに“果糖”は、体内で分解されるときにプリン体の分解を促進して尿酸を増やすことが分かっています。果糖は果物に多く含まれていますが、果物自体は食べすぎなければあまり問題はありません。気を付けたいのは、甘い清涼飲料水や果物のジュース、お菓子などです。これらには果糖をはじめ糖分が多く含まれているので、尿酸値が心配な人は控えましょう。

(4)プリン体を多く含む食べ物・飲み物を取りすぎない

プリン体が多い食べ物の代表は、鶏レバーや魚の干物、白子などです。これらには100gあたり300mg以上のプリン体が含まれています。プリン体の適切な摂取量は1日400mg程度といわれているので、尿酸値が気になる人はできるだけ避けたほうがよいでしょう。

また、プリン体は水に溶けやすいため、肉や魚などの煮汁を飲まないようにすると摂取量を抑えることができます。

プリン体が多い食べ物は下表のとおりです。

100gあたりのプリン体含有量 食べ物
300mg~ 鶏レバー、干物、白子、健康食品のビール酵母、クロレラ、スピルリナ、ローヤルゼリーなど
200~300mg 豚レバーや牛レバー、カツオ、マイワシなど
100~200mg 肉(豚・牛・鶏)、魚

『高尿酸血症・痛風のガイドライン 第3版』より

飲み物で注意したいのはお酒です。特にビールはプリン体が多いことで知られていますが、含有量は製品によって異なります。一般的にプリン体が多い地ビールなどは1日350ml程度に抑えたほうが無難でしょう。プリン体のカット発泡酒は一般の発泡酒に比べて尿酸値を上げにくいとされていますが、前述のようにアルコール自体が体内のプリン体を増やしてしまうので、1日500ml程度が適量といえます。

生活習慣を改善して高尿酸血症を防ごう

高尿酸血症は生活習慣病なので、予防の基本は生活習慣の改善です。“尿酸値が心配”という人は、まず食生活を見直してみましょう。肥満の人は、体重を3~6か月で1~3%減らすことを目標にダイエットを始めてみてはいかがでしょうか。また、ストレスや睡眠不足も尿酸値を上げる要因とされているので、ストレスの上手な発散、睡眠時間の確保もおすすめします。疑問や不安がある場合は医師に相談しましょう。