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2024.12.18
#腎臓内科 #対象疾患

高尿酸血症の検査とは? 〜必要に応じて複数回検査することもある〜

高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が通常よりも高い状態のことをいいます。尿酸値が高くても自覚症状がないこともありますが、高い状態が続くと、痛風高血圧糖尿病、腎臓病などを引き起こすこともあるため、早期に発見して改善することが大切です。本記事では、高尿酸血症の検査と診断について解説します。

以下の記事では高尿酸血症について網羅的に解説しています。ぜひチェックしてみてください。
>>高尿酸血症とは治るのか?

イーヘルスクリニック新宿院 の腎臓内科の3つのメリット

① 平日20時まで、土日祝も診療
② オンライン診療対応で、すぐに薬が受け取れる
③ 管理栄養士による食事指導も実施

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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医抗加齢医学会専門医日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士

高尿酸血症の検査

高尿酸血症が疑われる場合、eHealth clinicでは問診や血液検査から診断します。

問診

問診では、医師により以下のような事柄についての質問をされます。

  • 生活習慣について(食事、運動、飲酒、ストレスなど)
  • どのような症状が出ているか
  • 腎臓病や糖尿病、高血圧症など、ほかにかかっている病気、治療中の病気はあるか
  • 家族の病歴

血液検査

問診が行われた後、血液検査によって尿酸値を調べます。尿酸とは“プリン体”からつくられる老廃物のことです。プリン体は新しい細胞ができるときに必要な物質で、肝臓で分解され尿酸になり、その後尿などとして排出されます。しかし、尿酸の排出が低下したり、過剰に作られたりすることで尿酸値が高くなると、体内で結晶になって痛風などを発症する確率が高くなります。

実際に痛風関節炎の5年間累積発症率を調べたアメリカのある研究では、尿酸値の前値が6.0mg/dL未満の場合は0.5%、6.0〜6.9mg/dLの場合は0.6%、7.0〜7.9mg/dLの場合は2.0%、8.0〜8.9mg/dLの場合は4.1%、9.0〜9.9mg/dLの場合は19.8%、10.0mg/dL以上の場合は30.5%であったといった結果が報告されており、尿酸値が7.0mg/dL以上になると、数値が高くなるにつれ痛風の発症リスクが増加するといわれています。

高尿酸血症の診断

検査結果が出るまでの所要日数は、通常2~4日程度です。血液検査の結果、男女ともに血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超えている場合は高尿酸血症と診断されます。

高尿酸血症と診断された場合は、生活習慣の改善や治療が必要です。特に、尿酸値が8.0~9.0mg/dL以上で、高血圧や糖尿病などの合併症を伴う場合は早めの治療が推奨されます。

検査の注意点――必要に応じて複数回検査することも

健診などで尿酸値が7.0mg/dLを超えていた場合は、再検査をすることもあります。なぜなら、血液中の尿酸値は1日のうちで変動し、季節によっても多少変わるためです。1日のうちの変動を“日内変動”といい、健康な大人の場合は、食事の直後に下がったあと元に戻り、時間帯では明け方に高く、夕方に低くなると考えられています。また、季節による変動は、汗をかいて体内の水分が失われやすい夏に高めになることが知られています。

ほかにも食事の内容や飲酒、運動も尿酸値に影響を与えます。プリン体を多く含む食品を食べた後やお酒を飲んだ後、運動をした後は高くなり、0.5mg/dLから2.0mg/dLも上昇するといわれています。

こうした尿酸値の上昇はほとんどが一時的なものですが、大量の飲酒、激しい運動の後などは数日間高いままということもあります。また、最近は精神的ストレスと尿酸値の関係も指摘され、忙しさが続いたり、大きなイベントがあったりしたときに尿酸値が上がると考えられています。

そこで、正しく診断するために採血する時間帯を変えたり、食事内容、飲酒、運動の影響がない日を選んだりして複数回検査を行うことがあります。

検査で分かる高尿酸血症の種類

高尿酸血症は尿酸値が高くなっている理由によって3つのタイプに分類され、種類によって治療法が異なります。種類は、尿中に含まれる尿酸の量などを測定して調べることができます。

具体的には、次のように分類されます。

尿酸排泄低下型

尿酸排泄低下型は、腎臓の尿酸排泄能力が低下しているために、血液中に尿酸が増えるタイプです。体質や、お酒の飲み過ぎ、肥満などが原因とされ、日本人の高尿酸血症の約60%が尿酸排泄低下型といわれています。

尿酸産生過剰型

尿酸産生過剰型は、体内で過剰に尿酸がつくられるタイプです。その原因は、尿酸のもとになるプリン体を多く含む食品の取り過ぎやお酒の飲み過ぎ、肥満などとされています。

混合型

混合型は、尿酸排出低下型と尿酸産生過剰型を併せたタイプです。

高尿酸血症の治療

高尿酸血症の治療は、食事療法・運動療法による生活習慣の改善と薬物療法が中心です。鶏レバーなどのプリン体が多い食品やビールの摂取を避ける、ウォーキングなどの有酸素運動を週3日ほど行うなどして、生活習慣の改善を目指します。

薬物療法は、生活習慣を改善しても尿酸値が下がらない場合、合併症や痛風の発作を起こした場合、あるいは尿酸値が8.0mg/dLを超えた場合などに検討されます。高尿酸血症の主な治療薬は、尿酸の排泄を促す“尿酸排泄促進薬”と尿酸の産生を抑える“尿酸生成抑制薬”です。尿酸排出低下型には尿酸排泄促進薬、尿酸産生過剰型には尿酸生成抑制薬を使うのが一般的でしたが、2つの薬を併用すると効果的なことや、尿酸生成抑制薬が尿酸産生過剰型にも効果があることが分かってきたため、医師は検査データや既往歴などから総合的に判断してお薬を出します。

以下の記事では高尿酸血症の治療法について解説しているのでチェックしましょう。
>>高尿酸血症の治療法とは?完治の可能性についても解説

尿酸値が高くて心配な場合は医師に相談を

高尿酸血症は放っておくと痛風だけでなく、さまざまな合併症にもつながるため、早期発見と早期の適切な治療が重要です。健診など検査を受けたときに異常を指摘された場合は、必ず指示に従って受診するようにしましょう。尿酸値について心配なことや疑問がある場合は自己判断せず、医師に確認することが大切です。

eHealth clinicでは高尿酸血症の診療を行っています。患者さんの症状などを丁寧に聞き取り、必要な検査や患者さんに合った治療法を提案しています。不安や疑問があればいつでもご相談ください。

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