マンジャロの効果とは?ダイエット・糖尿病治療に使われる理由をわかりやすく解説

ウゴービ(Wegovy)は、2023年11月に厚生労働省より、高度肥満症を対象として承認されたGLP-1受容体作動薬です。従来の治療薬と比較して、より高い減量効果が期待できると注目されています。
この記事では、ウゴービの特徴をはじめ、オゼンピックやマンジャロなどの類似薬との違い、保険適用の条件や副作用などについて、初めての方にもわかりやすく解説します。ウゴービ治療を検討中の方に役立つ情報をまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
イーヘルスクリニック新宿院では、医療ダイエット外来(肥満外来)を実施しています。健康的な体重管理を目指す方のために栄養カウンセリングや合併症の精査などさまざまな治療オプションをご提案いたします。ウゴービの自由診療にも対応しており、医師の診察に基づいて適切な治療をご提案しています。
単に体重減量を目指すだけでなく、肥満によって引き起こされる健康問題の早期発見や治療にも重点を置いているのが特徴です。忙しい方でも受診しやすい環境を整えていますので、お気軽にご相談ください。
ウゴービは皮下注射で使用する肥満症治療薬です。週1回の皮下注射で、従来の肥満症治療薬よりも高い減量効果が期待できます。ウゴービの特徴を、以下の3つの観点から解説します。
ウゴービの主成分である「セマグルチド」は、GLP-1というホルモンに似た働きをする成分です。セマグルチドが脳の満腹中枢に働きかけることで、以下の作用が期待できます。
無理な我慢や極端な食事制限をしなくても、日々の食事量をコントロールしやすくなります。食事のストレスが減ることで、気持ちの面でも前向きに取り組める方が多いのも特徴です。「リバウンドを繰り返していた方」や「食事管理が長続きしなかった方」にとっても、継続しやすい可能性のある治療法といえます。
ウゴービは週に1回の自己注射で使用するため、毎日投与が必要なタイプの治療薬と比べて、忙しい方でも取り入れやすく継続しやすいのが特徴です。糖尿病治療薬としても使われている成分よりも高用量で使用する設計のため、肥満症に対する作用がより高く期待されています。
「仕事や育児で忙しくても治療を続けやすい」「決まったタイミングでの投与だけで済む」など、日常生活への負担を抑えながら取り組める点も支持されています。
海外の臨床試験では、1年半で平均15%以上の体重減少したという報告があり、従来薬(サクセンダ:平均5〜8%)の約2倍の効果があるとして注目されています。
従来の運動療法や食事療法では効果が実感しにくかった方や、本格的な体重管理に取り組みたい方にとって、ウゴービの効果は有効な選択肢の一つとなる可能性があります。ただし、治療効果には個人差があるので注意が必要です。
GLP-1受容体作動薬にはいくつかの種類があり、それぞれ作用や使い方、効果に違いがあります。中でもウゴービは「肥満症治療に特化して開発された初のGLP-1薬」であり、体重管理に悩む方にとって有力な選択肢の一つとなる可能性があります。
週1回の注射で高い減量効果が期待でき、継続しやすい設計も魅力です。ウゴービが他の類似薬とどのような違いがあるのか、以下の表でわかりやすくまとめます。
薬剤名
(成分名) |
作用機序 | 期待される減量効果 | 投与方法 | 用途 | 日本での承認状況 (2025年5月時点) |
ウゴービ
(セマグルチド) |
GLP-1受容体作動薬 | 約15% | 週1回注射 | 肥満症 | 肥満症で承認済 |
オゼンピック (セマグルチド) |
GLP-1受容体作動薬 | 6〜8% | 週1回注射 | 2型糖尿病 | 糖尿病で承認済 |
リベルサス
(セマグルチド) |
GLP-1受容体作動薬 | 4〜6% | 毎日内服 | 2型糖尿病 | 糖尿病で承認済 |
マンジャロ
(チルゼパチド) |
GIP/GLP-1受容体作動薬 | 約20% | 週1回注射 | 2型糖尿病 (肥満症も有望) |
糖尿病で承認済 |
治療薬には、それぞれの特徴や効果の違いがあるため、どの薬が合っているかは患者さんによって異なります。体質や持病、ライフスタイルによって選ぶべき治療法は変わってくるため、疑問や不安がある方は、医師に相談しましょう。
イーヘルスクリニック新宿院では、マンジャロの処方も実施しています。マンジャロは、血糖コントロールと体重減少を同時に目指せる新しい治療法として期待されています。詳細な情報は別の記事でまとめているので、興味がある方はぜひご覧ください。
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当院では医療ダイエット外来(肥満外来)を実施しており、健康的に痩せたい方をサポートしています。患者さん一人ひとりの状況を丁寧にお伺いしながら、適切な薬剤や治療法のご提案や栄養カウンセリングを実施しております。
「自分に合う薬を知りたい」「治療を続けやすい方法を見つけたい」とお考えの方は、まずはお気軽にカウンセリングへお越しください。
2024年5月現在、ウゴービを保険診療で処方できる医療機関は全国的にごく限られています。
自由診療での取り扱いについても、導入している医療機関はまだ少数にとどまっているのが実情です。ウゴービの保険適用の可否と処方の流れについて以下の項目に沿って解説します。
イーヘルスクリニック新宿院では、ウゴービを自由診療にて処方しています。予約制で待ち時間が少ない体制のもと専門の医師による診療を実施しており、仕事・育児で忙しい方でも治療を受けやすいのが特徴です。「近くに取り扱いのある医療機関がない」「まずは話を聞いてみたい」という方も、お気軽にご相談ください。
ウゴービは以下の条件を満たす場合、保険適用となる可能性があります。
当院でのウゴービ治療は、自由診療での対応のみとなっており、保険診療での処方は行っておりません。「まずは話を聞いてみたい」「自分に合っているか知りたい」という方は、お気軽に当院へご相談ください。
ウゴービの投与量に応じて、1か月あたりの治療費も変動します。当院では、0.25〜1.0mgを取り扱っています。料金は以下のとおりです。
含有量 | 1か月あたりの価格(税込) |
0.25mg | 15,400円 |
0.5mg | 24,200円 |
1.0mg | 35,200円 |
※初診3,300円、再診1,100円が別途必要です。
ウゴービを自由診療(自費)で受ける場合は全額自己負担となります。
当院でウゴービの処方を受ける場合、以下の流れで治療を実施しています。はじめての方にも安心してご来院いただけるよう、丁寧な説明とサポートを行います。ご都合にあわせて柔軟に受診いただけます。
当院では、肥満症治療薬のウゴービをはじめとするGLP-1受容体作動薬を用いた肥満症治療において、以下のようなトータルサポートを行っています。
マンジャロ・リベルサスなど他のGLP-1受容体作動薬の自由診療にも対応しており、患者さん一人ひとりの状態やご希望に合わせて柔軟な治療プランのご提案が可能です。「ただ体重を減らす」のではなく「健康的でリバウンドしにくい体」を目指すサポートをいたします。
ウゴービは、一定のBMIを超える肥満の方や、肥満に関連する健康リスクを抱える方に効果が期待できる治療法です。ウゴービ治療の対象となる方の目安や、注意が必要なケースについて下記の項目に沿ってご紹介します。
ウゴービ治療が推奨されるのは、BMIが35以上の方です。BMI27以上で、高血圧や脂質異常症、2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法でも十分な効果が得られず、2つ以上の肥満に関連する健康障害がある方も対象となります。
ご自身が治療対象に当てはまるかどうか不安な方は、当院へお気軽にご相談ください。
糖尿病や高血圧など肥満に関連する疾患がある場合、ウゴービ治療によって血糖値の改善や血圧・脂質のコントロールがしやすくなるといった効果が期待できます。ウゴービに含まれる「セマグルチド」が食欲を抑えるだけでなく、血糖値の上昇をゆるやかにする作用を持っているためです。
ただし、糖尿病薬など他の薬を使っている場合は、低血糖などのリスクがあるため、注意が必要です。治療の開始や併用は医師の判断のもと最適な治療方針が決定されます。
以下に該当する方は、ウゴービ治療が適さない、あるいは慎重な判断が必要となる場合があります。
当院では「ちょっと心配なことがある」「本当に使って大丈夫なのか知りたい」といった不安にも丁寧にお答えします。安全性を最優先に、必要に応じて他の治療法も含めたご提案をいたします。
ウゴービ治療では、自己注射による投与と段階的な用量調整を行いながら、医師の指導の元で体重管理を進めていきます。週に1回の注射なので、初めての方でも取り組みやすく、続けやすいのが特徴です。以下の項目に沿ってウゴービ治療の実施方法を解説します。
引用:ノボノルディスクファーマ株式会社(ウゴービクイックガイド)
ウゴービは週1回、決まった曜日に注射を行う治療です。注射は自己注射が可能で、専用のペン型注入器を使用します。主な注射部位は以下のとおりです。
注射方法は、初回診察時に医師や看護師から丁寧に指導を行います。毎日注射する必要がないため、スケジュール管理がしやすく、日常生活に取り入れやすいのが大きなメリットです。慣れてくると、短時間で完了するため、忙しい方や注射に抵抗のある方でも安心して継続いただけます。
ウゴービ治療は、0.25mgから開始して段階的に用量を増やしていきます。一般的な用量調整スケジュールは以下のとおりです。
期間 | 用量 |
1か月目 | 0.25mg(週1回) |
2か月目 | 0.5mg(週1回) |
3か月目 | 1.0mg(週1回) |
4か月目 | 1.7mg(週1回) |
5か月目以降 | 2.4mg(週1回) |
少しずつ投与量を増やしていくことで、徐々に体が薬剤に慣れるように設計されており、副作用を最小限に抑えながら体重減少を目指すことができます。体調に応じて、増量のスピードや最終用量は医師と相談しながら調整可能です。
ウゴービ治療は、通常6か月以上を目安に継続します。効果が安定するまでに一定の期間が必要であり、継続的な診察とサポートを受けながら進めることが大切です。定期的な診察(1〜2か月ごと)では、体重や体脂肪率の変化、血液検査による健康状態の確認を行いながら治療を進めます。
イーヘルスクリニック新宿院では、医療ダイエット外来(肥満外来)を実施しています。治療の経過観察を丁寧に観察し、患者さんの生活スタイルやお悩みに合わせた治療計画をご提案しています。
「どれくらいの期間で効果が出るか知りたい」「自分に無理のない進め方を相談したい」といった方も、お気軽にご相談ください。カウンセリングでは、治療適応や費用の目安についても丁寧にご説明いたします。
ウゴービは従来の肥満症治療薬よりも高い効果が期待できる注射薬ですが、他の医薬品と同様に副作用が出る場合があります。ほとんどは軽度で一時的なものですが、事前に知っておくことで適切に対応できます。ウゴービでみられる副作用について以下の項目に沿って解説します。
ウゴービ使用者の15〜30%に見られる主な副作用は以下のとおりです。
多くの場合、症状は一時的で、治療継続とともに軽減することが多いです。ただし、症状が長引く場合や日常生活に支障が出るような場合は、我慢せず医師にご相談ください。副作用への対処法や、必要に応じた治療内容の調整も可能です。
ウゴービを使用する中で、まれに以下のような重い副作用が起こることがあります。症状が出た場合は、すぐに医師に相談してください。
急性膵炎は膵臓に炎症が起き、強い腹痛を引き起こします。具体的な症状は次のとおりです。
胆石症(たんせきしょう)は胆のうや胆管にできた石が痛みや不調の原因になります。具体的な症状は次のとおりです。
重度の胃腸障害は胃や腸の働きが乱れて、強い不調が続く状態です。具体的な症状は次のとおりです。
体重が急に減りすぎて、体に必要な栄養が足りなくなることもあります。具体的な症状は次のとおりです。
どれも珍しいケースではありますが「いつもと違う」と感じたら、無理せず医師に相談することが大切です。
副作用を軽減するために次のような工夫が有効な場合があります。日常生活のちょっとした工夫で症状が和らぐこともありますので、ご自身の体調に合わせて取り入れてみてください。
副作用が強く現れた場合は、以下の対応をおすすめします。
副作用は我慢せず、早めに対処することが大切です。気になる症状がある場合は、自己判断せず医師にご相談ください。
ウゴービ治療の効果をしっかりと得るためには、一定期間の継続が大切です。ウゴービは体重を減らすだけでなく、その後の体重維持の目的でも使われます。ウゴービ治療の長期的な見通しについて以下の項目に沿って解説します。
ウゴービの効果を得るためには、通常6か月以上の継続が推奨されています。効果が現れた後も、体重維持のために治療を継続することが一般的です。ただし、ずっと使い続けなければならないわけではありません。実際には、一定期間使用した後、医師と相談しながら減薬や中止を検討していくケースもあります。
自己判断で中止せず、医師と相談しながら治療を進めていくことが大切です。
ウゴービ治療を終了すると、一時的に食欲が戻りやすくなり、徐々に体重が増加する場合があります。治療をやめた後に食事や運動習慣が元に戻ってしまうと、リバウンドする可能性があるため注意が必要です。ウゴービに頼りすぎず、治療を通して身につけた食事や運動などの習慣を無理なく続けていくことが大切です。
当院では、栄養カウンセリングも実施しています。「やめた後が不安」「リバウンドを防ぎたい」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。患者さん一人ひとりに合わせて「自分で体重をコントロールできる状態」を目指す治療をサポートをいたします。
ウゴービの使用に関するこれまでの臨床研究では、おおむね2年程度までの継続使用において、重大な安全性上の問題は報告されていません。多くの方が副作用の出現状況を確認しながら、安全に治療を継続しています。
一方で、2年以上の長期的な使用に関するデータは、現在も世界中で研究が進められている段階です。今後さらに長期的な安全性や有効性に関する情報が蓄積されていくことで、より確かな治療指針が示されると考えられています。
当院では、ウゴービを長期で使用される方にも、定期的な診察による健康チェックや副作用の確認を通じて、安全性を最優先に治療を継続できるようサポートしています。
ウゴービ治療を始めるにあたって、不安や疑問を感じる方も多いです。ここでは、患者さんからよく寄せられる質問にご回答します。
ウゴービの注射針はとても細いので、痛みはほとんどありません。多くの患者さんは「蚊に刺されたような軽い痛み」と表現しています。
個人差はありますが、多くの場合2〜4週間で食欲が抑えられる効果を感じ始めます。体重が減り始めるのは通常1〜3か月頃からはっきりわかるようになる場合が多いです。
基本的には多くの薬と併用可能ですが、糖尿病薬(特にインスリン製剤)との併用では低血糖のリスクがあるため、用量の調整が必要です。持病がある方は、現在服用中の薬について必ず医師に伝えてください。
治療をやめると体重が少しずつ増える傾向はありますが、治療中に身についた食事習慣や運動習慣を続けることで、リバウンドを最小限に抑えることができます。
ウゴービは、2023年に日本で承認されたGLP-1というホルモンに作用し、食欲を抑えながら体重を減らしていく新しい肥満症治療薬です。従来の治療と比較して高い減量効果が期待できます。具体的な治療効果は以下のとおりです。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病がある方にとっても、血糖コントロールのサポートが期待できる治療法です。ただし、ウゴービは医師の処方が必要な医療用医薬品ですので、必ず診察を受けたうえで、医師の指導のもとで使用することが大切です。
イーヘルスクリニック新宿院では、肥満症治療に特化した「医療ダイエット外来(肥満外来)」を実施しています。健康的な体重管理を目指す方のために栄養カウンセリングや合併症の精査などさまざまな治療オプションをご提案いたします。
当院の医療ダイエット外来(肥満外来)は、単に体重減量を目指すだけでなく、肥満によって引き起こされる健康問題の早期発見や治療にも重点を置いているのが特徴です。忙しい方でも受診しやすい環境を整えていますので、お気軽にご相談ください。
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参考記事
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Jastreboff AM, Aronne LJ, Ahmad NN, Wharton S, Connery L, Alves B, Kiyosue A, Zhang S, Liu B, Bunck MC, Stefanski A. Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity. N Engl J Med, 2022, 387(3), p.205–216