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2022.05.13
#腎臓内科 #対象疾患

腎不全

腎不全とは

腎不全とは、腎臓の機能が通常の60%以下に低下し、老廃物を十分に排出できなくなった状態のことです。

腎臓のはたらきには、(1)老廃物を体の外に出す(2)体内の水分や電解質を調節する(3)血圧を調節する(4)血液を作り出すのに必要なホルモンを分泌する(5)ビタミンDの生成を助けることなどがあります。そのため、腎不全になるとむくみや貧血などの症状がみられるようになり、進行すると時に命に関わる状態に進展することがあります。

種類

腎不全は、腎機能が数時間~数日の間に急激に低下する“急性腎不全(急性腎障害)”と、腎機能がゆっくりと低下していく“慢性腎不全”(慢性腎臓病)に分けられます。急性腎不全の約6割は慢性腎不全に移行し、全体の1割は腎臓が機能しなくなってしまうとされています。なお、一度慢性腎不全になると腎機能の回復は難しいといわれています。

原因

急性腎不全の原因は、主に脱水ややけど、心臓の機能低下などによる腎臓への血流の低下や、腎臓・膀胱・尿道などで起こったトラブルが挙げられます。慢性腎不全では主に糖尿病や慢性糸球体腎炎、腎硬化症などの病気が関係しているといわれています。

たとえば、塩分の過剰摂取や肥満につながるような食習慣、運動不足、喫煙などは腎不全の危険因子となるため、日ごろから注意しましょう。

腎不全の症状

主な症状

腎不全の初期には自覚症状がないことが一般的ですが、以下のような症状がみられることもあります。

  • 起床時のまぶたのむくみ
  • 足のむくみ
  • 運動時の動悸、息切れ

など

進行した場合の症状

進行するにつれ、以下のような症状がみられることがあります。

  • 就寝時の咳、息苦しさ
  • 立ちくらみやふらつきなどの貧血症状
  • 動悸や息切れ
  • 食欲不振、吐き気などの消化器症状

など

受診の目安

前述のとおり、慢性腎不全は最初の頃は症状が現れないことも多いため、定期的に健康診断を受けることが早期発見につながるといわれています。腎不全は尿や血圧の検査で異常が見つかる可能性があり、特に尿タンパクが陽性の人は詳しい検査を受けるとよいでしょう。

一方で、腎不全が進行すると、心臓のはたらきが悪くなるなど体にさまざまな悪影響を及ぼし、場合によっては命に関わることもあります。
そのため、上記のような症状に心当たりがあれば早めに腎臓内科や泌尿器科、内科などの受診を検討するとよいでしょう。

腎不全の治療のポイント

急性腎不全の場合は、原因となる病気の治療や薬物療法、場合によっては透析療法を行います。一方、慢性腎不全の場合はまず原因となる病気の治療や生活習慣病を改善する薬の使用、食事療法などによる生活習慣の改善などを行うことが一般的です。

ただし、慢性腎不全は治療しても正常な状態には回復しないことが多いため、進行を遅らせることが治療の目的となります。進行が止められないと判断された場合は、透析療法や腎移植が検討されます。

薬の処方

急性腎不全の場合は、病状に合わせて尿の量を増やして体内の余分な水分を減らす“利尿薬”や血圧を上げる“昇圧薬”などが選択されることが一般的です。

比較的早期の慢性腎不全の場合も、病気の進行を抑えるために薬物療法が行われることがあります。この場合は、血圧を下げる降圧薬を使ったり、糖尿病患者さんの場合は糖尿病治療薬を使ったりするなど、病状や合併症に応じた薬が選択されることが一般的です。 

食事指導

急性腎不全や比較的早期の慢性腎不全では、腎臓に負担をかけないような食事をすることで病気の進行を防ぎ、合併症の予防をすることが大切です。

食事療法ではたとえば、水分制限、たんぱく質・塩分・カリウム・リンの制限、十分なエネルギー摂取などが指導されます。具体的な数値は症状や体型などによって異なるため、医師や栄養士の指示に従うようにしましょう。

透析療法

透析療法とは、腎臓の代わりに老廃物や余分な水分の除去、電解質の調整を機械で人工的に行う治療法です。 急性・慢性腎不全のいずれも、腎臓のはたらきが大きく低下して体内環境が悪化しているときは透析療法が検討されることが一般的です。急性腎不全など例外を除き、腎不全を発症した場合は生涯にわたり透析療法を続ける必要があります。

透析療法には種類があり、主流は血液を機械に通して体内に戻す“血液透析”です。通常1回4~5時間の透析を週2~3回行う必要があります。また、病院に行かずに自分で管理する方法として、お腹に管を通して透析液を出し入れする“腹膜透析”があります。この場合は、透析液の交換を自分の手で1日4回行う必要があります。

腎移植

腎移植とは、腎臓を移植する治療法です。

対象となるのは、慢性腎不全で腎機能がおおむね通常の10%以下になっている人、薬でコントロールできない尿毒症症状や高カリウム血症、強いむくみ、心不全がある場合などです。また、すでに透析療法をしている人が腎移植を行う場合もあります。

腎不全になったときに気を付けたいポイント

減塩など食事に気を付ける

腎不全になった場合、腎臓をいたわる食事をして腎臓のはたらきが悪化するのを防いだり、腎不全に伴う合併症を予防したりすることが大切です。具体的な食事内容については、病気の進行度合いや患者さんの体の状態によっても異なるため、担当医師の指導をよく聞き、実践するようにしましょう。

腎臓の負担を抑える主な食事のポイントは以下のとおりです。

  1. たんぱく質を取りすぎないこと
  2. 脂質や糖質などからカロリーを取ること
  3. 食塩を取りすぎないこと
  4. カリウム・リンを取りすぎないこと
  5. 水分を適切に摂取すること

など

禁煙する

喫煙が大きく関係するといわれる“動脈硬化”は腎臓のはたらきを悪化させたり、心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳梗塞などのリスクを高めたりするといわれています。そのため、病気の進行を抑えるためには禁煙が重要となります。

感染症に注意する

通常の風邪はウイルスが原因であることがほとんどなので、腎臓の機能に影響することはないとされています。しかし、扁桃炎などを起こす細菌感染では腎炎の悪化につながることがあるため、注意が必要です。

日ごろから手洗い、うがいなどを心がけるほか、風邪をひいたらすぐに受診を検討するとよいでしょう。また、強力な解熱鎮痛薬は腎臓の悪化につながることがあるとされています。服用が必要な場合は医師に相談しましょう。